「abc予想」の始まりを「計算ブリッジ」で体感できる件について

数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(前編) – NHKスペシャル – NHK

今回のNHKスペシャルは、「数学者は宇宙をつなげるか?」というタイトルで、京都大学の望月新一教授が証明したという「abc予想」について取り上げた回でした。

まず最初に驚いたのは、数学者ですら難解なこのテーマを多くの人が見る「NHKスペシャル」で取り上げようと思ったこと。これは本当によくやった!と賛辞を送りたいと思います。多くの人が理解できるように腐心されたんだろうなと思う構成で、シンプルに見てて面白く、abc予想の大枠を直感的に理解できるような番組になっていました。

また「数学の答えは必ずしも1つではない」という、数学の根本を揺るがすような事がこのabc予想の中には含まれているということが分かり「学問とは終わりのない歩み」なのだという事を痛感しました。

時に「足し算と掛け算を分割して考える」というabc予想の根幹については、テレビを見ながら少し感じた事がありました。

「計算ブリッジ」のゲームをしていると、場のカードの値になるために手札を四則演算して出すのですが、最初は皆さん「足し算」を使って組み立てようとします。しかし足し算を使用するとたくさんの計算候補が浮かんでくるので、その情報を上手く処理するのは大変時間がかかります。(なので、初心者の方は「頭から煙が出そう」という感想を言われることが多い気がします)。

一方「掛け算」を中心に組み立てて行くと、計算できる組み合わせは自ずと絞られてくるので、処理すべき計算候補も大分少なくて済みスムーズに計算候補が浮かび上がってきます。例えば、場の数が「7」などの素数の場合、掛け算でできる可能性は「1×7」しかないので、それ以外で計算候補を考える必要がなくなります。

番組中で言っていた

「掛け算は簡単だが、足し算は難しい」

という事の一端を「計算ブリッジ」を通じて体感することができるんじゃないかなと思いました。

なんだか強引に計算ブリッジに話を持っていきましたが、次から計算ブリッジをやる時は「このトランプゲームは【abc予想】にも繋がっているんだよ!」って言って回ろうと思います笑

そうやって「算数」や「数学」に興味を持ってもらうのも、数学の指導者にとっては必要なスキルだと思っています。

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